自然治癒力に頼るのも結構だが、場合によっては限界がある
万が一体調を崩すことがあった時のためにホームドクターは必要
はじめに―ホームドクターが医療ミス、医療事故を防ぐ健康をいくら自任していても、人間誰しも、いつかは健康を損なう―。人間が生物界の一員である以上、不老長寿なんて決してありえない。細菌など病原体の侵入を受けたり、ガンが発病したりする。糖尿病や高血圧症にもむしばまれる。やけどをしたり、ケガをすることだってある。健康を損なってしまったときには、好むと好まざるとにかかわらず、病院にかからなければならなくなる。もちろん、放っておいても自然に治る病気は少なくない。
自然界に身を置く生物は、自分の力で病気を治すカ―「自然治癒力」を持っているものだ。だが、強力な微生物の侵入による結核のような感染症やガン、新しいウイルスによるエイズなどの重症な感染症、全身の大部分に熱湯を浴びてしまうような大やけど、車にはねられたときなどに起こる、脳の中の大出血……。これらは、自然治癒力だけで治せる限界をはるかに超えている。
そのまま放っておけば、まず助からない。適切な治療をすぐにでも受けなければ、命を失うことになりかねない。このようなときには、どの病院に行ったらよいのか?どんな医者にみてもらったらよいのか?おそらく、多くの読者は迷うに違いない。そもそも、健康なときには病院とは無縁だろう。幸いにも知り合いに医者がいるというのは、むしろ例外的なケースだと思う。だが、火事などでもそうだが、ことが起こってから慌てても、決してよい結果にはつながらない。常日ごろから準備万端整えておけば、慌てずに、適切な行動を速やかにとれるはずだ。「いざというときには、119番に電話すればいい」こう思っている人も少なくない。
何しろ、まったく病気などとは無縁で遊び盛りだった子が、わずか数日で亡くなったのだ。本来なら、お腹が痛いといい出したときに虫垂炎と診断され、すぐに手術を受けてさえいれば、命まで亡くなるなどということはなかったはずだ。納得がいかず、医者の対応にも疑問をいだいた両親は、病院を相手どって訴訟を起こすことにし、「誤診」と「処置の誤り」を訴えた。
決して病院から賠償金をふんだくろうなどという気持ちからではなく、ただ無抗生物質。病原菌の繁殖や成長を抑えたり死滅さぜたりする物質で、種々の微生物からつくられる。ぺニシリンなどが代表的なもので、多くの病気の治療に用いられている。手術。虫垂炎が悪化して腹膜炎を起こしている場合には、ただちに手術を行なって処置しないと、命に関わる。
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